
いきなりですが、私たちが住む地球では多くの災害が起きますよね。
地震・台風・火事・噴火など様々なものがあります。
その他にも、殺人事件や強盗・交通事故など、私たちの身の回りには多くの危険が潜んでいます。
ところが、危険が起こっているにも関わらず、平然としてしまい逃げ遅れて命を落としてしまう人がいます。
その理由の1つが、正常性バイアスの働きによるものなのです。
こんな人にオススメの記事!
- 正常性バイアスについて知りたい人
- 災害で起こる心理を知りたい人
それでは、さっそく見ていきましょう!
目次
正常性バイアスとは?その意味は?

正常性バイアスとは
自分にとって都合の悪い情報を無視・過小評価してしまう心理現象
つまり、何か悪い出来事があったとしても、うまく反応ができなくなってしまうのです。
悪い出来事が小さなものなら大丈夫です。
しかし、私たちは災害のような命に関わるものも経験する可能性があります。
ですから、正常性バイアスの働きは、時には危険になるのです。
次の章では、正常性バイアスが働いてしまった例を紹介していきます。
正常性バイアスの具体例!

今回は、実際にあった災害・事件を2つ具体例としてあげていきます。
1、韓国の地下鉄放火
2003年に韓国の地下鉄で放火が起きるいう事件がありました。
その事件により、乗客など200人近くの人が亡くなってしまいました。
その事件後、ある写真が問題となったのです。
その写真は、既に火災して煙が車内に充満している場面を撮られたものでした。
ところが、写真の中の乗客たちは平然としていて、逃げようという素振りがないのです。
この現象が起きたのは、正常性バイアスによるものです。
問題が起きているにも関わらず、
「きっと大丈夫だろう」
「何かの間違いだろう」
こう思ってしまい、煙が充満しているという情報を、無視・過小評価されたのです。
またこの事件中には、「情報を確認するため、しばらくお待ちください」等の車内放送もされたため、正常性バイアスの働きをより強くしてしまったとも言われています。
2、東日本大震災
東日本大震災により、正常性バイアスという言葉が広く知られるようになりました。
東日本大震災では、被災者たちの逃げ遅れが問題とされました。
被災者は、避難する必要がある警報が鳴っているにも関わらず、逃げるという判断が遅れてしまったのです。
なぜなら、警報が鳴っていても、
「きっと大丈夫だろう」
「そこまで危険でないだろう」
こう考えてしまい、実際に津波がきてから状況を把握するという状況が起こったからです。
ですから、正常性バイアスによる勘違いは非常に怖いものなのです。
正常性バイアスが働く理由!

私たちの日常では、たくさんの出来事が起こりますよね。
その中で、日々多くの情報を脳に取り入れています。
もし、それらの刺激1つ1つに対して、いつも反応していたらどうなるでしょうか。
きっと、精神的にも肉体的にも疲弊してしまいます。
そうならないためにも、人間の脳には心の平穏を守る機能がついています。
この機能が、ある程度の刺激に対して鈍感にしてくれるのです。
なので普段の生活の中では、私たちは守られていると言えます。
しかし、その機能が災害中にも働いてしまうという悪い点があるので、大きな問題が起こってしまうのです。
正常性バイアスの対策方法!

ここまで読んできた方たちは、正常性バイアスの怖さを認識したはずです。
そこで、災害時の正常性バイアスの働きを抑えるために、そして自分や周囲が危険から逃げれるように、対策方法を2つ紹介します。
1、普段からシミュレーションしておく
普段から災害をシミュレーションしておくことは大事です。
そのために、積極的に避難訓練・防災訓練に参加してみるのが良いです。
もし、実際に参加できないのならば、頭の中で災害が起こったときの事をイメージしてみましょう。
普段からシミュレーションを繰り返す事で、万が一の事態に備える事ができます。
2、正常性バイアスについて覚えておく
正常性バイアスの存在を覚えておくだけでも、危険から逃げられる可能性が上がります。
そして、正常性バイアスについて、ぜひ周囲の人にも教えてあげてください。
1人1人が意識しておくことで、今後の逃げ遅れを減らす事ができます。
なので、このページ内を読んで分かったことを今後も覚えておいて、周囲の人にも教えてあげると良いでしょう!
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最後まで読んでくれて、ありがとうございます!
今回は心理学用語の『正常性バイアス』について紹介していきます。